起業して5年がたった。
第5期の決算が終わったので、起業後5年がたったことになる。
途中、1年9ヶ月の休眠時期(会社員をやっていた)を経て復活しやっとPLベースで黒字化した。
この5年間やってきたことを振り返る余裕などなく、とにかく事業を継続するためにフリーランスの仕事などで会社に資金を入れ続け何とか創業期の累積赤字を払拭することができた。
今期(6期)は、ひとまずやるべきことは明らかなので地に足をつけて堅実に経営していきたい。
起業してよかったのか
結論から言うと、トータルで「よかった」と考えている。
- 時間の使い方を比較的自由にできる
- 会社員時代より会社や上司の方針にストレスを感じることがない
- 自分のやりたいテーマをとことん追求できる
相応の自由を得た分、資金繰りや事業の進捗は常に頭の中から離れることはない。
スモールビジネスは向こう3ヶ月のキャッシュフロー管理だけは徹底し、やるべき事をやった後はコントロールできない現象に関しては諦めるのがストレスコントロールとして良いのではないだろうか。商売はマラソンである。いいことも続かないが悪いことも続かない。
なぜ起業したのか
2014年の2月ごろ、当時の勤務先で早期退職募集がありもともと35歳前後で独立したかったのもあり勢いだけで起業した。
起業にあたりテーマを決める必要があるが、当時M2Mと言われる領域に興味があり学生時代にメカトロニクスに触れていたのとネットワーク、クラウドの経験が活かせる農業M2Mプロダクトのリリースを目標に故郷の新潟に戻った。
起業前にしておけばよかったこと
- PL/BSの読み方を知っておけばよかった
- 資本政策、資金調達(デット、エクイティ)の仕組み
- 顧客を作っておけばよかった
- 会社創立後の税金発生の仕組み
- 知的財産周りの法律(著作権法など)
- 顧客集客(マーケティングの基礎、ランディングページのデザインなど)
- 一緒に事業をやる仲間を作っておけばよかった(営業もマーケティングも一人ってそりゃ無理ですよ)
- 会社の閉じ方(会社を作るよりたたむ方が大変です。安易な起業ブームに乗ってはいけません)
しなくてよかったこと
- 展示会(知名度のないベンチャーが展示会に出ても金が出ていくだけだった)
- 新聞広告(上に同じ)
- VCから資金調達(2019年現在、やっと市場が立ち上がりつつある現状で当時増資ができていたとしても溶かしてしまった)
- 農業IoTの継続(ビジネスとしては採算が合わないと判断し、IoTプラットフォームへピボットしたのはよかった)
してよかったこと
- 節目節目でプレスリリースを打った事(リードにつながった、メディアに掲載された)
- 一度地元に戻った事(遊びの誘惑がないから、ひたすら開発に没頭できた)
辛かったこと
- 銀行残高が2万で震えがきた
- 農業IoTサービス「おんしつくん」がこけ、ピボットを決断した時
- 休眠の決断をするとき
- 生活のため東京に戻る時に事務所を一人で片付けぎっくり腰になった
- 事業をやる上で、利害が絡んだ人間のいろんな姿を見た事
今後の展望
自社サービス展開は今まで一人相撲でやってきたが、OEMパートナーと協業することで、より多くの顧客に使ってもらう機会ができ今後はスケールさせる事に集中したい。
また、当初ラーメン代稼ぎのつもりのフリーランス業も最新の技術を取得できるいい機会であり、当面は続けていくつもりである。
起業当初より、随分こじんまりとまとまってしまったが、焦ってもしょうがないだろうと言う開き直りの心境ではある。
今後、壮大な夢などは無いが自社サービスを使ってくれる方がいる以上はコンパクトな事業形態は変えずにシンプルな経営を続けていきたい。